安全管理者試験 28年度前期

貨物自動車運送事業法関係

H28-1-1

貨物自動車運送事業法における定義について。

1:一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。

2:貨物自動車運送事業とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業貨物軽自動車運送事業をいう。

3:貨物自動車利用運送とは、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者が他の一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営する者の行う運送(自動車を使用して行う貨物の運送に係るものに限る。)を利用してする貨物の運送をいう。

4:特別積合せ貨物運送とは、一般貨物自動車運送事業として行う運送のうち、営業所その他の事業場(以下「事業場」という。)において集貨された貨物の仕分を行い、集貨された貨物を積み合わせて他の事業場に運送し、当該他の事業場において運送された貨物の配達に必要な仕分を行うものであって、これらの事業場の間における当該積合せ貨物の運送を定期的に行うものをいう。

 

H28-1-2

貨物自動車運送事業輸送安全規則に定める貨物自動車運送事業者の過労運転の防止について。

1.一般貨物自動車運送事業者等は、事業計画に従い業務を行うに[必要な員数の]事業用自動車の運転者(以下「運転者」という。)を常時選任しておかなければならない。

2.前項の規定により選任する運転者は、日々雇い入れられる者、[2ヵ月]以内の期間を定めて使用される者又は試みの使用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)であってはならない。

3.貨物自動車運送事業者は、運転者及び事業用自動車の運転の補助に従事する従業員(以下「乗務員」という。)の[健康状態]の把握に努め、疾病、疲労その他の理由により[安全な]運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。

 

H28-1-3

次の記述のうち、運行管理者の行なわなければならない業務。

1:異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、乗務員に対する適切な指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講ずることは、運行管理者の業務である。

2:一般貨物自動車運送事業者に対し、事業用自動車の運行の安全の確保に関し必要な事項について助言を行うことが、運行管理者の業務である。

3:法令の規定により、運転者に対して点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示を与え、並びに記録し、及びその記録を保存し、並びに国土交通大臣が告示で定めるアルコール検知器を備え置くことは、貨物自動車運送事業者の業務である。

4:運転者に対し、道路運送車両法第47条の2第1項及び第2項の規定による点検(日常点検)を実施し、又はその確認をすることについて、指導、監督を行うことは、運行管理者の業務である。

 

H28-1-4

次の記述のうち、貨物自動車運送事業者の事業用自動車の運転者(以下「運転者」という。)に対する乗務前の点呼(運転者の所属する営業所において対面で行うものに限る。)において、運行管理者が法令の定めにより実施しなければならない事項。

1:「道路運送車両法第47条の2第1項及び第2項の規定による点検(日常点検)の実施又はその確認」について報告を求め、及び確認を行うことは、点呼時に実施する事項として定められている。

2:「酒気帯びの有無」について、報告を求めるとともに、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器(国土交通大臣が告示で定めるもの。)を用いて確認を行うことは、点呼時に実施する事項として定められている。

3:「疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無」について報告を求め、確認を行うことは、点呼時に実施する事項として定められている。

4:「貨物の積載重量及び貨物の積載状況」について報告を求め、及び確認を行うことは、点呼時に実施する事項として定められていない

5:「事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示」をすることは、点呼時に実施する事項として定められている。

 

H28-1-5

次の自動車事故に関する記述のうち、一般貨物自動車運送事業者が自動車事故報告規則に基づく国土交通大臣への報告。

1:自動車が鉄道車両(軌道車両を含む。)と衝突し、若しくは接触した事故については、国土交通大臣への報告を要する。

2:死者又は重傷者(自動車損害賠償保障法施行令 第五条第二号 又は第三号 に掲げる傷害を受けた者をいう。)を生じた場合には、自動車事故報告規則に基づき国土交通大臣に報告しなければならないが、20日間の医師の治療を要する傷害の場合には報告を要しない。

3:自動車が転覆した事故については、国土交通大臣への報告を要する。

4:被牽引自動車の分離を生じた事故(故障によるものに限る。)については、国土交通大臣への報告を要する。

 

H28-1-6

一般貨物自動車運送事業者(以下「事業者」という。)の運行管理者の選任等に関する記述。

1:事業者は、事業用自動車(被けん引自動車を除く。)の運行を管理する営業所ごとに、当該営業所が運行を管理する事業用自動車の数を30で除して得た数(その数に1未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に1を加算して得た数以上の運行管理者を選任しなければならない。

2:事業者は、法令に規定する運行管理者資格者証を有する者又は国土交通大臣が告示で定める運行の管理に関する講習であって国土交通大臣の認定を受けたもの(基礎講習)を修了した者のうちから、運行管理者の業務を補助させるための者(補助者)を選任することができる。

3:事業者は、次の①又は②の場合には、当該事故又は当該処分(当該事故に起因する処分を除く。以下「事故等」という。)に係る営業所に属する運行管理者に、事故等があった日の属する年度及び翌年度(やむを得ない理由がある場合にあっては、当該年度の翌年度及び翌々年度、国土交通省令の規定により既に当該年度に基礎講習又は一般講習を受講させた場合にあっては、翌年度)に基礎講習又は一般講習を受講させなければならない。
① 死者又は重傷者(法令で定めるもの。)を生じた事故(以下「事故」という。)を引き起こした場合
② 貨物自動車運送事業法第33条(許可の取消し等)の規定による処分(輸送の安全に係るものに限る。以下「処分」という。)の原因となった違反行為をした場合

4:事業者は、事故を引き起こした場合又は処分の原因となった違反行為をした場合には、これに係る営業所に属する運行管理者(当該営業所に複数の運行管理者が選任されている場合にあっては、統括運行管理者及び事故等について相当の責任を有する者として運輸支局長等が指定した運行管理者)に、当該事故等があった日(運輸支局長等の指定を受けた運行管理者にあっては、当該指定の日)から1年(やむを得ない理由がある場合にあっては、1年6ヵ月)以内においてできる限り速やかに特別講習を受講させなければならない。

 

H28-1-7

一般貨物自動車運送事業者(以下「事業者」という。)の事業用自動車の運行の安全を確保するために、特定の運転者に対して行わなければならない国土交通省告示で定める特別な指導等に関する記述。

1:事業者は、高齢運転者に対する特別な指導については、国土交通大臣が認定した高齢運転者のための適性診断の結果を踏まえ、個々の運転者の加齢に伴う身体機能の変化の程度に応じた事業用自動車の安全な運転方法等について運転者が自ら考えるよう指導する。この指導は、当該適性診断の結果が判明した後1ヵ月以内に実施する。

2:特別な指導を要する事故惹起運転者とは、死者又は重傷者(法令で定めるもの。)を生じた交通事故を引き起こした運転者及び軽傷者(法令で定めるもの。)を生じた事故を引き起こし、かつ、当該事故前の3年間に交通事故を引き起こしたことがある運転者をいう。

3:事業者は、法令に基づき事業用自動車の運転者として常時選任するために新たに雇い入れた場合には、当該運転者について、自動車安全運転センター法に規定する自動車安全運転センターが交付する無事故・無違反証明書又は運転記録証明書等により、雇い入れる前の事故歴を把握し、事故惹起運転者に該当するか否かを確認する。

4:事業者が行う事故惹起運転者に対する特別な指導については、当該交通事故を引き起こした後再度トラックに乗務する前に実施する。ただし、やむを得ない事情がある場合には、再度乗務を開始した後1ヵ月以内に実施する。なお、外部の専門的機関における指導講習を受講する予定である場合は、この限りでない。

 

H28-1-8

一般貨物自動車運送事業者(以下「事業者」という。)の事業用自動車の運行に係る記録等に関する記述。

 

1:事業者は、車両総重量が8トン以上又は最大積載量が5トン以上の普通自動車である事業用自動車に運転者を乗務させた場合にあっては、当該乗務を行った運転者ごとに貨物の積載状況を「乗務等の記録」に記録させ、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。

2:事業者は、法令の規定により運行指示書を作成した場合には、当該運行指示書を、運行の終了の日から1年間保存しなければならない。

3:事業者は、運転者が転任、退職その他の理由により運転者でなくなった場合には、直ちに、当該運転者に係る法令に基づき作成した運転者台帳に運転者でなくなった年月日及び理由を記載し、これを3年間保存しなければならない。

4:事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、当該貨物自動車運送事業に係る主な道路の状況その他の事業用自動車の運行に関する状況、その状況の下において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び法令に基づき自動車の運転に関して遵守すべき事項について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。この場合においては、その日時、場所及び内容並びに指導及び監督を行った者及び受けた者を記録し、かつ、その記録を営業所において3年間保存しなければならない。

 

道路運送車両法関係

H28-1-9

自動車の登録等に関する記述。

1:登録自動車の所有者の住所に変更があったときは、所有者は、その事由があった日から15日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。

2:自動車の使用者は、自動車検査証の記載事項について変更があったときは、法令で定める場合を除き、その事由があった日から15日以内に、当該事項の変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の記入を受けなければならない。

3:臨時運行の許可を受けた自動車を運行の用に供する場合には、臨時運行許可番号標及びこれに記載された番号を見やすいように表示し、かつ、臨時運行許可証を備え付けなければならない。また、当該臨時運行許可証の有効期間が満了したときは、その日から5日以内に、当該臨時運行許可証及び臨時運行許可番号標を行政庁に返納しなければならない。

4:登録自動車の所有者は、当該自動車の自動車登録番号標の封印が滅失した場合には、国土交通大臣又は封印取付受託者の行う封印の取付けを受けなければならない。

 

H28-1-10

自動車の検査等に関する記述。

1:自動車運送事業の用に供する自動車は、自動車検査証を当該自動車に備え付けなければ、運行の用に供してはならない。

2:自動車の使用者は、継続検査を申請する場合において、道路運送車両法第67条(自動車検査証の記載事項の変更及び構造等変更検査)の規定による自動車検査証の記入の申請をすべき事由があるときは、あらかじめ、その申請をしなければならない。

3:初めて自動車検査証の交付を受ける貨物の運送の用に供する事業用自動車であって、車両総重量8トン未満の自動車の当該自動車検査証の有効期間は2である。

4:自動車検査証の有効期間の起算日は、当該自動車検査証を交付する日又は当該自動車検査証に有効期間を記入する日とする。ただし、自動車検査証の有効期間が満了する日の1ヵ月前から当該期間が満了する日までの間に継続検査を行い、当該自動車検査証に有効期間を記入する場合は、当該自動車検査証の有効期間が満了する日の翌日とする。

 

H28-1-11

道路運送車両法に定める自動車の日常点検及び定期点検について。

1.自動車運送事業の用に供する自動車の[使用者]又はこれを運行する者は、[11回、その運行の開始前において]、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の[日常的]に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。

2.自動車運送事業の用に供する自動車の[使用者]は、国土交通省令で定める技術上の基準により、当該事業用自動車を[3ヵ月毎]に点検しなければならない。

 

H28-1-12

道路運送車両の保安基準及びその細目を定める告示についての記述。

1:貨物の運送の用に供する自動車の車体後面には、最大積載量(タンク自動車にあっては、最大積載量、最大積載容積及び積載物品名)を表示しなければならない。

2:貨物の運送の用に供する普通自動車であって車両総重量が7トン以上のものの後面には、所定の後部反射器を備えるほか、反射光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合する大型後部反射器を備えなければならない。

3:貨物の運送の用に供する普通自動車及び車両総重量が8トン以上の普通自動車(乗車定員11人以上の自動車及びその形状が乗車定員11人以上の自動車の形状に類する自動車を除く。)の両側面には、堅ろうであり、かつ、歩行者、自転車の乗車人員等が当該自動車の後車輪へ巻き込まれることを有効に防止することができるものとして、強度、形状等に関し告示で定める基準に適合する巻込防止装置を備えなければならない。ただし、告示で定める構造の自動車にあっては、この限りでない。

4:自動車に備えなければならない後写鏡は、取付部付近の自動車の最外側より突出している部分の最下部が地上1.8メートル以下のものは、当該部分が歩行者等に接触した場合に衝撃を緩衝できる構造でなければならない。

 

道路交通法関係

H28-1-13

道路交通法に定める目的及び用語の意義についての記述。

1:路側帯とは、歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によって区画されたものをいう。

2:道路交通法の規定の適用については、身体障害者用の車いす、歩行補助車等又は小児用の車を通行させている者は、歩行者とする。

3:車両とは、自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。

4:道路交通法は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。

 

H28-1-14

追越し等に関する記述。

1:車両は、法令に規定する優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除き、交差点の手前の側端から前に30メートル以内の部分においては、他の車両(軽車両を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。

2:車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分においては、他の車両(軽車両を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。

3:車両は、道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂の道路の部分においては、他の車両(軽車両を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。

4:車両は、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため、停止し、若しくは停止しようとして徐行している車両等に追いついたときは、その前方にある車両等の側方を通過して当該車両等の前方に割り込み、又はその前方を横切ってはならない。

 

H28-1-15

道路交通法に定める過労運転に係る車両の使用者に対する指示について。

車両の運転者が道路交通法第66条(過労運転等の禁止)の規定に違反して過労により[正常な運転]ができないおそれがある状態で車両を運転する行為(以下「過労運転」という。)を当該車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。)の業務に関してした場合において、当該過労運転に係る[車両の使用者]が当該車両につき過労運転を防止するため必要な[運行の管理]を行っていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、過労運転が行われることのないよう運転者に指導し又は助言することその他過労運転を防止するため[必要な措置をとる]ことを指示することができる。

 

H28-1-16

車両の運転者の遵守事項に関する記述。

1:車両等の運転者は、道路の左側部分に設けられた安全地帯の側方を通過する場合において、当該安全地帯に歩行者がいるときは、徐行しなければならない。

2:車両等の運転者は、車両等に積載している物が道路に転落し、又は飛散したときは、速やかに転落し、又は飛散した物を除去する等道路における危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。

3:車両等の運転者は、児童、幼児等の乗降のため、車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけて停車している通学通園バスの側方を通過するときは、徐行して安全を確認しなければならない

4:自動車等の運転者は、自動車等を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法に規定する装置であるものを除く。)に表示された画像を注視してはならない。

 

H28-1-17

大型貨物自動車に係る乗車又は積載の方法及び積載の制限(出発地の警察署長が許可した場合を除く。)並びに過積載(車両に積載をする積載物の重量が法令による制限に係る重量を超える場合における当該積載。以下同じ。)について。

1:積載物の高さは、3.8メートル(公安委員会が道路又は交通の状況により支障がないと認めて定めるものにあっては3.8メートル以上4.1メートルを超えない範囲内において公安委員会が定める高さ)から自動車の積載をする場所の高さを減じたものを超えないこと。

2:警察署長は、荷主が自動車の運転者に対し、過積載をして自動車を運転することを要求するという違反行為を行った場合において、当該荷主が当該違反行為を反復して行うおそれがあると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、当該荷主に対し、当該違反をしてはならない旨を命ずることができる。

3:車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。

4:積載物の長さは、自動車の長さにその長さの10分の1の長さを加えたものを超えてはならず、積載の方法は、自動車の車体の前後から自動車の長さの10分の1の長さを超えてはみ出してはならない。

 

H28-1-18

労働基準法(以下「法」という。)に定める労働契約等についての記述。

1:使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が法第65条(産前産後)の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。

2:労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

3:使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、法第20条の規定に基づき、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

4:法第20条(解雇の予告)の規定は、法に定める期間を超えない限りにおいて、「日日雇い入れられる者」、「2ヵ月以内の期間を定めて使用される者」、「季節的業務に4ヵ月以内の期間を定めて使用される者」又は「試の使用期間中の者」いずれかに該当する労働者については適用しない。

 

H28-1-19

労働基準法及び労働安全衛生法の定める健康診断に関する記述。

1:事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、労働安全衛生規則(以下、「衛生規則」という。)に定める既往歴及び業務歴の調査等の項目について医師による健康診断を行わなければならない。ただし、医師による健康診断を受けた後、3ヵ月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りではない。

2:事業者は、常時使用する労働者(深夜業を含む業務等衛生規則に定める業務に従事する労働者を除く。)に対し、1年以内ごとに1回、定期に、衛生規則に定める所定の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

3:事業者は、深夜業を含む業務に常時従事する者に対し、当該業務への配置換えの際及び6ヵ月以内ごとに1回、定期に、衛生規則に定める所定の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

4:事業者は、衛生規則で定めるところにより、深夜業に従事する労働者が、自ら受けた健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出した場合において、その健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づく医師からの意見聴取は、当該健康診断の結果を証明する書面が事業者に提出された日から2ヵ月以内に行わなければならない。

 

H28-1-20

「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に定める目的等について。

1.この基準は、自動車運転者(労働基準法(以下「法」という。)第9条に規定する労働者であって、[四輪以上の自動車]の運転の業務(厚生労働省労働基準局長が定めるものを除く。)に主として従事する者をいう。)の労働時間等の改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働時間等の[労働条件の向上]を図ることを目的とする。

2.労働関係の当事者は、この基準を理由として自動車運転者の労働条件を低下させてはならないことはもとより、その[向上]に努めなければならない。

3.使用者は、季節的繁忙その他の事情により、法第36条第1項の規定に基づき臨時に[労働時間を延長し、]又は休日に労働させる場合においても、その時間数又は日数を少なくするように努めるものとする。

 

H28-1-21

貨物自動車運送事業の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)において厚生労働省労働基準局長の定める「一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間の特例について」(以下、「特例基準」という。)に関する記述。

1:使用者は、業務の必要上やむを得ない場合には、当分の間、改善基準第4条の1ヵ月についての拘束時間及び1日(始業時刻から起算して24時間をいう。以下同じ。)の拘束時間等の規定にかかわらず、次の条件の下で貨物自動車運送事業に従事する運転者(以下「トラック運転者」という。)を隔日勤務に就かせることができる。
(1) 2暦日における拘束時間は、一定の要件に該当する場合を除き、21時間を超えてはならない。
(2) 勤務終了後、継続20時間以上の休息期間を与えなければならない。

2:使用者は、業務の必要上、トラック運転者(隔日勤務に就く運転者以外のもの。)に勤務の終了後継続8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、当分の間、一定期間における全勤務回数の2分の1を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えることができるものとする。この場合において、分割された休息期間は、1日において1回当たり継続4時間以上、合計10時間以上でなければならないものとする。

3:使用者は、トラック運転者(隔日勤務に就く運転者以外のもの。)が同時に1台の事業用自動車に2人以上乗務する場合(車両内に身体を伸ばして休息することができる設備がある場合に限る。)においては、1日についての最大拘束時間を20時間まで延長することができる。

4:トラック運転者が勤務の中途においてフェリーに乗船する場合における拘束時間及び休息期間は、フェリー乗船時間(乗船時刻から下船時刻まで)については、原則として、休息期間として取り扱うものとし、この休息期間とされた時間を改善基準第4条の規定及び特例基準により与えるべき休息期間の時間から減ずることができるものとする。ただし、その場合おいても、減算後の休息期間は、2人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間の2分の1を下回ってはならない。

 

H28-1-22

下図は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の3日間の勤務状況の例を示したものであるが、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下、「改善基準」という。)に定める拘束時間及び連続運転の中断方法に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。

①拘束時間
自動車運転者の1日の拘束時間とは、始業時間から24時間以内にある拘束時間のことをいう。

1日目 12時間35分
2日目 11時間10分+2時間00分=13時間10
3日目 12時間15分

②連続運転の中断方法
連続運転時間(1回が連続10分以上で、かつ、合計が30分以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間をいう。)は、4時間を超えないものとすること。

1日目 「運転3時間-休憩10分-運転1時間10分」の時点で違反となる。運転時間が合計4時間に達した時点で30分以上運転を中断していない。
2日目 違反していない。
3日目 「運転1時間-休憩5分-運転2時間-荷下ろし20分-休憩5分-運転2時間」の時点で違反となる。運転時間が合計4時間に達した時点で30分以上運転を中断していない(10分未満の運転の中断は認められない)。

 

H28-1-23

下表は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の1ヵ月の勤務状況の例を示したものであるが、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)に定める運転時間に関する次の記述のうち、正しいものを1選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、1人乗務とし、「1ヵ月についての拘束時間の延長に関する労使協定」があり、下表の1ヵ月は、当該協定により1ヵ月についての拘束時間を延長することができる月に該当するものとする。

「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」
運転時間は、2日(始業時刻から起算して48時間をいう。)を平均し1日当たり9時間、2週間を平均し1週間当たり44時間を超えないものとすること。

①1日当たりの運転時間
11日を特定日とした場合に、2日を平均した1日当たりの運転時間がどちらも9時間を超えており違反となる
 10日~11日 (10時間+9時間)÷2=9.5時間
 11日~12日 (9時間+10時間)÷2=9.5時間

②1週間当たりの運転時間
第1週~第2週にかけての平均運転時間が1週間当たり44時間を超えており違反となる
(48時間+44時間)÷2=46時間

 

実務上の知識及び能力

 

H28-1-24

運行管理の意義、運行管理者の役割等に関する記述。

1:運行管理者は、事業者に代わって法令に定められた事業用自動車の運行の安全確保に関する業務を行い、交通事故を防止するという重要な役割を果たすことが求められていることから、運行管理業務を自ら行わなければならない。補助者には運行管理者の業務の補助(点呼の一部等)を行わせることができる。補助者の選任は事業者が行い、補助者への指導及び監督は運行管理者が行う。

2:運行管理者は、運行の安全に関する、改善すべき点及び運転者その他の従業員の「現場の声」を踏まえた対策について、事業者に対し積極的に助言を行い、運行の安全確保を図ることも重要な役割である。

3:運行管理者は、運転者の指導教育を実施していく際、運転者1人ひとりの個性に応じた助言・指導(カウンセリング)を行うことも重要である。そのためには、日頃から運転者の性格や能力、事故歴のほか、場合によっては個人的な事情についても把握し、そして、これらに基づいて助言・指導を積み重ねることによって事故防止を図ることも重要な役割である。

4:運行管理者は一般貨物自動車運送事業者等に対し、事業用自動車の運行の安全の確保に関し必要な事項について助言を行うことができる。運行管理者が、自社の営業所において重大事故が発生し、直ちに、情報の収集を行い、事故の直接的及び間接的な要因として考えられる事故原因について分析を行い、必要な再発防止策を検討・作成した場合、これらの対策の実施について事業者に助言するべきである

 

H28-1-25

点呼の実施に関する記述。

1:点呼については、運行管理者の補助者にその一部を行わせることができる。ただし全体の点呼の1/3以上は運行管理者が行わなければならない。

2:酒気帯びの有無について確認を行う場合には、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。停電時において、運転者に携帯させるために営業所に備えてある携帯型アルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認することは適法と考えられる。

3:乗務前の点呼においては、疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。

4:運行管理規程に乗務前の点呼における実施事項として、自動車運転免許証の提示及び確認について明記した場合、自動車運転免許証の確認は、各自の自動車運転免許証の原本により行わなければならない。免許証のコピーでは免停処分の事実があったとしても確認できず、また偽造のおそれもある。

 

H28-1-26

運行管理者の業務上の措置等に関する記述。

1:日常点検の結果に基づき、運行の可否を決定することは、整備管理者の権限である。運行管理者は、日常点検において不良の報告を受けた場合、整備管理者に確認を求めなければならない

2:運行管理者は、貨物自動車運送事業法その他の法令に基づく運転者の遵守すべき事項に関する知識のほか、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転に関する技能及び知識について、運転者に対する適切な指導及び監督を継続的、計画的に行わなければならない

3:初任運転者とは、運転者として常時選任するために新たに雇い入れた者をいう(当該貨物自動車運送事業者において初めて事業用自動車に乗務する前3年間に他の一般貨物自動車運送事業者等によって運転者として常時選任されたことがある者を除く。)。4年前まで他の一般貨物自動車運送事業者において事業用自動車の運転者として常時選任されていた者については、初任運転者に対する適性診断を受診させるとともに、特別な指導を当該運転者に行う必要がある。

4:運行管理者は、手にしびれが出るなどの事故につながるような報告を受けた場合、医師の診断を受けるように指導する必要がある

 

H28-1-27

自動車の運転に関する記述。

1:自動車のハンドルを切り旋回した場合、左右及び前後輪はそれぞれ別の軌跡を通る。ハンドルを左に切った場合、左側の後輪が左側の前輪の軌跡に対し内側を通ることとなり、この前後輪の軌跡の差を内輪差という。ホイールベースの長い大型車ほどこの内輪差が大きくなる。したがって、このような大型車を運転する運転者に対し、交差点での左折時には、内輪差による歩行者や自転車等との接触、巻き込み事故に注意するよう指導する必要がある。

2:前方の自動車を大型車と乗用車から同じ距離で見た場合、それぞれの視界や見え方が異なり、運転席が高い位置にある大型車の場合は車間距離に余裕があるように感じ、乗用車の場合は車間距離に余裕がないように感じやすくなる。したがって、運転者に対して、運転する自動車による車間距離の見え方の違いに注意して、適正な車間距離をとるよう指導する必要がある。

3:平成26年中の事業用貨物自動車が第1当事者となった人身事故件数は2万件超である。過去10年間の事業用貨物自動車の交通事故の発生状況を見ると、平成21年頃までは減少幅が比較的大きかったものの、それ以降は減少傾向にあるが減少幅が縮まる。事故内容別発生状況を見ると、追突事故が約半分を占めており、トラック事業者にとって追突事故対策は重要な課題となっている。このため、運転者に対して、適正な車間距離の確保や前方不注意の危険性等追突事故の原因となる運転をしないよう指導する必要がある。

4:交通事故の中には、二輪車と四輪車が衝突することによって発生する事故が少なくない。このような事故を防止するためには、四輪車の運転者から二輪車が、二輪車の運転者から四輪車がどのように見えているのか理解しておく必要がある。四輪車を運転する場合、二輪車に対する注意点として、①二輪車も四輪車と同じように急に停車できない。②二輪車は死角に入りやすく、その存在に気づきにくい。③二輪車は速度が遅く感じたり、距離が実際より遠く見えたりする。したがって、運転者に対して、このような二輪車に関する注意点を指導する必要がある。

 

H28-1-28

事業用自動車の運転者の健康管理及び就業における判断・対処に関する記述。

1:事業者は、運転者の自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある脳血管疾患及び心疾患等に係る外見上の前兆や自覚症状等を確認し、総合的に判断して必要と認められる場合には、運転者に医師の診断等を受診させ所見に応じた精密検査を受けさせてその結果を常に把握するとともに、医師から結果に基づく運転者の乗務に係わる意見を聴取する必要がある。

2:運行管理者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。このままでは運行の継続ができないと判断した運転者に対し、しばらくその場所にて休憩を取り、自らの判断で運行を再開するよう指示したことは不適切な対応である。

3:漫然運転や居眠り運転の原因の一つとして、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と呼ばれている病気がある。この病気は、睡眠中に呼吸が止まる、日中の強い眠気などの症状があり、また、狭心症や心筋梗塞などの合併症を引き起こすおそれがある。このため、安全運転を続けていくためには早期の治療が不可欠であることから、事業者は、運転者に対しSASの症状などについて理解させるよう指導する必要がある。

4:健康へのリスクの少ない節度ある適度な飲酒の目安としては、純アルコール20グラム(以下「1単位」という。)と言われている。その1単位(アルコール5%のビールの場合約500ミリリットル)のアルコールを処理するための必要な時間の目安は、概ね4時間とされているので、事業者は、これらを参考に個人差を考慮して、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から酒類の飲み方等についても指導を行う必要がある。

 

H28-1-29

荷主から貨物自動車運送事業者に対し、B地点で荷積みをし、C地点に12時に到着させるよう運送の依頼があった。これを受けて、運行管理者として運転者に対し当該運送の指示をするため、次に示す「当日の運行計画を策定するための前提条件」に基づき運行計画を立てた。
この運行に関する次のア~ウについて解答しなさい。なお、解答にあたっては、「当日の運行計画を策定するための前提条件」に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

[当日の運行計画を策定するための前提条件]
A営業所を出庫し、30キロメートル離れたB地点まで平均時速30キロメートルで走行する。
B地点において30分間の荷積みを行う。
B地点から180キロメートル離れたC地点までの間、一部高速自動車国道を利用し、平均時速45キロメートルで走行して、C地点に12時に到着する。
〇荷下ろし後、1時間の休憩をとる。休憩後、A営業所に帰庫するため、C地点を1330分に出発、一部高速自動車国道を利用し、150キロメートル先のD地点まで平均時速50キロメートルで走行して到着後、15分の休憩をとる。
D地点からA営業所まで平均時速30キロメートルで走行して、A営業所に1745分に帰庫する。

 

ア C地点に12時に到着させるためにふさわしいA営業所の出庫時刻について

A営業所からB地点までの走行時間
 30km÷30km/h=1時間

B地点の荷積み所要時間 30分

B地点からC地点までの走行時間
 180km÷45km/h=4時間

A営業所からC地点までの所要時間
 1時間+30分+4時間=5時間30分

C地点に12時に到着するためのA営業所の出庫時刻
 12時-5時間30分=630

イ D地点とA営業所の距離について

C地点からA営業所までの所要時間
 17時45分-13時30分=4時間15分

C地点からD地点までの所要時間
 150km÷50km/h=3時間

D地点での休憩時間 15分

D地点からA営業所までの所要時間
 4時間15分-(3時間+15分)=1時間

D地点とA営業所の距離
 30km/h×1時間=30km

ウ 当日の全運行において、連続運転時間は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に照らし、違反しているか否か

当日の全運行
 出庫
 運転 1時間
 荷積み 30分
 運転 4時間
 荷下ろし・休憩 1時間30分
 運転 3時間
 休憩 15分
 運転 1時間
 帰庫

「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」では、連続運転時間について下記のように定められている。
運転開始後4時間以内または4時間経過直後に30分以上運転を中断しなければならない。ただし、運転開始後4時間以内に運転を中断する場合は、少なくとも1回につき10分以上とした上で分割することができる。

よって、当日の全運行において、連続運転時間は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に照らし、違反していない

 

H28-1-30

運行管理者が、次の大型トラックの事故報告に基づき、この事故の要因分析を行ったうえで、同種事故の再発を防止するための対策として、最も直接的に有効と考えられる組合せを、下の枠内の選択肢(1~8)から1選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、<事故の概要>及び<事故関連情報>に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

<事故の概要>
当該運転者は、事故当日は普段より遅れて出社し、運行管理者の補助者による乗務前点呼を受けた後、積み置きしてあった最大積載量14トンの大型トラックに1名で乗務し、8時に営業所を出発した。1時間一般道路を走行した後高速道路に入り、2時間走行した後20分の休憩をとった。さらに3時間走行し15分の休憩をとり、続けて1時間30分程度走行したところで(運行開始より約550キロメートル走行した地点)、緩やかな右カーブにおいて、前方で起きた事故のために徐行していた自動車に追突した。

<事故関連情報>
〇当該運転者は、事故前日休日で就寝時間が遅かった。
〇当日の運行は、荷主直接からの運送依頼による定期運行の経路であり、事故日前々日に営業所隣の車庫で積み荷作業を済ませていた。
〇当該営業所では、運行管理者と運行管理者の補助者による交代制で点呼を実施しており、当該運行については、補助者が乗務前点呼を実施した。
〇当該運転者は、事故日の1ヵ月前に、拘束時間、連続運転時間について、改善基準を超えた運行を行っていた。他の運転者においても同様の違反があった。
〇事業者は、毎月1回の安全衛生委員会を開催して運転者の指導を行っている。また、当該運転者に対しては、速度超過があるので個別の指導も実施していた。
〇当該運転者は、直近の適性診断の結果では、動作の正確さ、判断・動作のタイミングも良く、また、働き方や生活習慣も非常に良い状態であった。しかし、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いを指摘されていた。
〇当該運転者は、適性診断ではSASの疑いを指摘されていたが、健康診断においては特に指摘がなかったため、スクリーニング検査は受けていなかった。
〇当該車両は、法令で定められた日常点検及び定期点検整備を実施していた。また、当該車両には衝突被害軽減ブレーキが装着されていた。

<再発防止対策>

ア 定期健康診断において所見が認められなかった運転者に対して、SAS等に係る外見上の前兆や自覚症状がないかを確認することは重要である。また、自覚症状等がない運転者に対しても、主要疾病等に関するスクリーニング検査を実施し、着実かつ早期の発見に努めることも大事である。ただし、今回の事故は原因が明らかにされておらず、これらが同種事故の再発を防止するための対策として直接的に有効とはいえない

イ 当該運転者に対しては、速度超過があったため個別の指導も実施していた。点呼において、運転者に対し、最近、連続運転時間及び速度超過の違反が多いことを再認識させ、休憩場所や休憩時間等について指示どおり運行することを徹底することは、同種事故の再発を防止するための対策として直接的に有効である。

ウ 当該運行については、補助者が乗務前点呼を実施しており、点呼について問題はなかった。常に点呼が確実に実施できるよう、体制の整備を図ることが、同種事故の再発を防止するための対策として直接的に有効とはいえない

エ たとえいつも慣れた運行経路であっても、漫然運転に陥らないよう、運転中は常に運転に集中し、前方に注意して走行するよう指導すること。また、危険を予測し、これを回避できる運転操作を徹底させることは、同種事故の再発を防止するための対策として直接的に有効である。

オ 当該運転者は、事故日の1ヵ月前に、拘束時間、連続運転時間について、改善基準を超えた運行を行っていた。他の運転者においても同様の違反があった。また事故当日の連続運転時間も「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に違反するものだった。関係法令及び「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」の違反防止を図るため、運転者に対して適切な運行指示を徹底することは、同種事故の再発を防止するための対策として直接的に有効である。

カ 貨物自動車運送事業は、公共的な輸送事業であり、貨物を安全かつ確実に輸送することが社会的使命であることを運転者に深く認識させることが、同種事故の再発を防止するための対策として直接的に有効とはいえない

キ 衝突被害軽減ブレーキ装着車であっても、必ず衝突をさけるものではない。運転者及び運行管理者が、これらの安全技術が装着されている車両においても、その技術を過信しすぎないことの理解を深めることが、同種事故の再発を防止するための対策として直接的に有効である。

ク 当該車両は、法令で定められた日常点検及び定期点検整備を実施していた。日常点検及び定期点検整備の確実な実施が、同種事故の再発を防止するための対策として直接的に有効とはいえない