株主優待や配当金を取得するためには、権利付き最終日(権利確定日の2営業日前)までに株を所有していなければいけません。
一方、権利付き最終日に株を所有していれば株主の権利を取得できるということは、権利付き最終日の翌日=権利落ち日に株を売っても配当金や株主優待の権利は得られます
そのため権利落ち日以降は、優待や配当だけが目当てだった投資家の売り物に押され、株価が下落してしまうこともあります。
単純に「権利付き最終日直前に買い、権利落ち後すぐに売る」のでは、株価の動きによって損失が出てしまうことも
20%変動例
リスク軽減で優待をもらうクロス取引
クロスには「一般信用」を使う、「制度信用」NG
信用取引には「一般信用取引」と「制度信用取引」というものがあります。
逆日歩が発生するのは「制度信用取引」で、「一般信用取引」は投資家と証券会社の間で取引が完結するため、機関投資家に株を借りる必要がなく逆日歩は発生しません。
銘柄によっては権利付き最終日に向けて株の在庫が無くなり、信用売り(空売り)ができなくなる場合もあるので注意が必要です。
一般使用取引の方が貸株料は少し高めになりますが、逆日歩のコストと比べると、一般信用取引がおすすめです。
クロス取引のポイント
現物買いや信用売りの注文を入れるのは、市場が閉まっている時間帯にするのがポイントです。
平日であれば、市場が閉まっている「15:00以降~翌日9:00」までだったり、休憩時間の「11:30~12:30」までに注文を出しましょう。
ザラ場中に注文を出すとタイミングがずれてしまい、同じ株価で約定できなくなってしまいます(つまり株価の変動リスクが出てしまいます)。
配当金はもらえない!
クロス取引は、権利付き最終日まで株をもっているので「優待の権利」+「配当金」がもらえると思いがちですが、実際はそうではありません。
実は、権利確定日を超えて売建玉(信用取引で空売りした株)を持っていた場合、信用取引の買い手に配当相当額を支払わなければいけません。この支払うお金のことを「配当調整金」といいます。
配当調整金の権利は、通常の配当と同じタイミングで確定します。つまり、クロス取引では株主優待の権利は手に入りますが、配当金はもらえないということになるのでご注意ください。
逆日歩に注意
人気のある優待だと、株が不足して逆日歩を支払うケースが多く、優待価値を大きく上回ってしまうことさえあります(つまり支払いの方が多くなってマイナスになってしまう)。
コメント