少年野球 コーチング 総論

言葉の指導の問題点

子供の投げ方を見て気になる点をピンポイントで指摘する。しかし子供は間違いなく、あなたのイメージと違ったイメージで受け取っている。

「投げる手は耳の横で手の甲が下を向く」すると子供は招き猫のポーズをします。「違うこうだ!」とひじを後ろに引いて形を教えます。しかしその時、腰や下半身は自然体のままです。これでは一連の投球動作で「どこでどのくらいどのように」ということは理解できない。子供ですから。

また別の例で、投げるとき、肘は「内旋→外旋→内旋」と動く、と教えられて、前を向いたまま動作を練習したとして、投球で全身の動きが伴った時、リリース時に不自然な外旋が加わり、ぎこちないフォームとなる。威力が低いとかフォームが悪いで済めばまだましですが、この場合肘の故障を引き起こしやすい危険があります。全身で作ったエネルギーを最後のリリースの一点に集約したとき、肘が変な角度を向いていたとしたら!。一日何十球も何年もそれをしたら肘が故障するのは目に見えています。

しかしコーチングも、いろいろな人が、いろいろなタイミングで、いろいろな教え方をする、のであるから、適切でない教え方1回で駄目になってしまうものでもないでしょうが、そうは言っても少年野球はコーチが少なく、練習時間も少ないなど、教えるタイミングが非常に少ないのと、フォームが固まる過程で間違ったイメージを抱く可能性は大きいのです。

最も悪い指導

ただし、もっとも悪いフォームが身に付く危険性は、野球を知らないお父さんが、首をひねりながら「なんか違うな、手はこうじゃないの」などと思いつきの非理論的な指導をしてしまうことです。少年野球にやってくる子供でフォームが変な場合はほとんどこれで、5年生くらいでこのパターンは正直もう直せません。直せるというチームもあるでしょうが、そこらの草少年野球チームのサンデー即製コーチが多数のチームでは無理です。こんなチームでも悪い癖が付く前ならばまだいいのですが、付いてしまった子供は治せません。

ではどうしたらいいのか、私が結論としたことは。まず理想のフォームを見せる。フォームのきれいなコーチがゆっくりと投げて見せるのです。何回も何回も。事あるごとに。ところが私の居たチームでは、常時それをやってくれるコーチは居ないか、そんな時間はそれほど作れないか、「前にも同じことを教えたろう」と言ってしまうコーチか、ともかく何回も!は不可能です。

良い指導方法、前田健太のスローモーション

そこで私は自分の子供には、インターネットのユーチューブできれいなフォーム(特に広島の前田健太のフォームは美しい)をスローモーションで見せ、同時に携帯電話についていたハイスピード撮影機能で子供のフォームをスローモーションで見せて比較しました。日ごろは納得しない欠点の指摘に納得したようでした。

ユーチューブで「ピッチング スロー」などと検索すると、プロ野球投手のスローモーションが、いろいろなピッチャー、いろいろな角度からのビデオがたくさんアップロードされています。

?自分の指導

これを見せるのは、子供の指導というより、これを何回も見ることが、自分のピッチング理論の構築に役立ちました。言葉の解釈で釈然としなかったものが、だいぶすっきりと飲み込めました。とはいっても素人なんですけどね。

ところが、子供はせっかちで、数回見たら「もう分かった」。その後はもう見ようとしません。ここから先はモチベーションアップやその維持という、別の面のコーチングが必要です。

指導の結論としては「お父さんが手間と努力を注ぎ込む」以外には有り得ません

それを言っては実も蓋もないのですがそれが現実です。一流の選手で親が野球に興味も関心もない例は、四葉のクローバーを捜すより難しいでしょう。

まず親の貴方から実践しましょう

まず親が研究し、自分で実践し練習し、子供に決して無理をさせず、諦めず諦めさせず、一緒に楽しく野球をするのです。私は右投げですが、本やネットで集めた投球理論を自分で実証するため、左投げを一から練習しました。皆さんもやってみてください。ただ投げてみるのではなく、左ピッチャーとして下半身主導で本格的に投げるのです。これはかなり難しく、反復して体に覚えさせるということがどれほど難しいか思い知ることでしょう。また、フォームがある程度出来ても、ボールが指からすっぽ抜けたり、コントロールがめちゃめちゃだったりと、フォームだけではないことも思い知りました。

これらの大変さが分かれば、子供に対して性急は絶対NGです。完全に出来たら次のステップ、というくらいでないといけません。

また、決して怒ってはいけません。イラッとしてもそこは我慢です。プレーが上手くなっても、野球が思い出したくもない嫌な記憶になっては残念すぎます。褒めて褒めて楽しませるのです。それに優しいお父さんと楽しく野球が出来たら、何よりも嬉しいに決まっているじゃないですか。この言葉に違和感を感じた人は、彼や彼女の赤ちゃんの時を思い出し、初心に帰って可愛がりましょう。

彼らが少年野球を卒業し一緒に野球が出来なくなったのは、日常にぽっかり穴があいた喪失感があります。土日が暇で困ります。コーチ時代は大変でしたが、かけがえのない貴重な時間でした。

 

 


これからメモ

いけない集

無理な遠投をさせない

強い玉を捕球させない

強い球を投げさせない

一度出来ても次のステップにすぐ移ってはいけない

スイングの出来ない子にフリーバッティングをさせない

流し打ちはさせない

コーチは口で指導するな見せるべし

プレイに怒ってはいけない、怒鳴ってはいけない、暴力は絶対NG

酒を口にしたら帰るべし、酔っ払いコーチは犯罪です

打球の飛距離は褒める必要なし

精神論は価値観の押し付けなり

バッティング理論は言葉にしない(誤解が多く弊害のほうが大)

 

 

させるべし集

かけっこに競争要素を入れてどんどん走らせるべし

全員ピッチャーをさせるべし

ビデオを練習に活用すべし。論より証拠。

バレーのスパイクはインパクトまでピッチングと同じ

よそのチームと競争するのは親の応援だけ